木の工房 風

ひとこと

ワクワク感を感じさせる作品作り           ”新付加価値の創造”(2017/1/3 T.Hayashi)

写実絵画:諏訪敦の世界

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写実画家の諏訪敦さんの再放送を見ました。
一度見た番組でしたが、もう一度見てみたくなるほど、引き込まれるのが諏訪さんの世界です。

写実絵画なら、写真でもいいのではないかと思ってしまいますが、何が違うのでしょうか。

20代の娘さんを交通事故で突然亡くされたご両親の思いは、何としても娘の死を受け入れられない沈痛な思いを持ちながら、毎日を過ごされている・・・そんな依頼者のお宅に伺うと、部屋中に亡くなった娘さんの写真が飾ってありました。
依頼者は、知人を通して諏訪さんの存在を知り、写真では満たされない思いを諏訪さんの写実絵画という人物画に、娘さんの記憶を託しました。

写真と絵画は何が違うか。写真は「記録」だが、絵画は「記憶」を描いている。
深い記憶で繋がっていたいという依頼者の思いが、諏訪さんに絵画を依頼したということです。
依頼された諏訪さんは、初め受けるかどうか少し迷われたが、ご両親のお話に感動し、依頼を受けることにした。(感動は、ものを作ることに繋がる)

娘さんに関するいろいろな情報を入手する中に、ご両親をデッサンすることで、手を通して娘さんの情報を諏訪さんの体に取り込むといった作業があった。(両親のデッサンから、娘さんの骨格の情報も入手)
こういった諏訪さんだが、自分が描いた絵を相手のご両親がどう思ってくれるかわからないという不安を抱えつつ「丁寧に描いていくだけ」と話されていた。

この不安を払拭させてくれたのが、遺族会の世話役をされている方の言葉であった。
「ご遺族は、娘さんのそっくりなものが欲しい訳ではないと思います。ご両親の知らなかった娘さんの一面を見ることで、娘さんを感じる取ることが出来るので、諏訪さんがご両親から受けた印象を描けばいいと思います」

結果、諏訪さんの描いた娘さんの絵を見たご両親は、思わず娘さんの名前を呼び、涙を浮かべて、「娘が架空の世界から現実に降りて来てくれた」と感動されていた。
実際の娘さんをまったく知らない諏訪さんが、いまある過去の情報を駆使して描いた人物画に、ご両親が感動して絵に語りかけている姿は、まさに目の前に娘さんが存在しているかのような光景であった。

TV画面を通して見ているこちらも、感動を受けるような素晴らしい画家、諏訪敦さんである。

諏訪さんの画風。
有り得ないものを描く(麒麟の首から先を描いた絵画の頭部は、頭蓋骨で描かれている)。
別の世界、時間軸を生きている人を描く。
肉体の本質に迫る。


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