木の工房 風

ひとこと

ワクワク感を感じさせる作品作り           ”新付加価値の創造”(2017/1/3 T.Hayashi)

藤井慎介氏(デザイン性)

Posted by 「木の工房 風」 on   0 comments

藤井さんは、武蔵野美大の造形学部建築学科卒で6年間建築設計を経て木工の世界に入った方なので、建築デザインの感覚が家具のデザインにうまく生きていると思います。

変則的な造形であるにもかかわらず、見た目は実にバランスの取れた、安定した印象を受けます。

例えば、椅子の脚も座面を四点で受ける所を一箇所省いて三点で受けている。普通はアンバランスな印象を受けますが、よく見ないと三点であることに気付かないほど自然です。
しかも、縦に伸びた脚を床で受ける畳ずりのような部材もL字に曲がっていて途中で途切れている。
それでもまったく違和感を感じさせません。
部分的には、変則的な構成ですが、全体としてみたときに、実によくバランスが取れているということだと思います。

藤井氏の椅子
この椅子は、案内はがきに印刷されている写真で、足を投げ出して腰掛ける椅子ですが、前に伸びた座面と床に伸びる角部材は上から見て、すこし捻れています。それは床に伸びた角部材の先がL字になって、人が座った時の重量バランスを取るようになっているためだと思いますが、そのねじれも良く見ないと分かりませんし、L字に伸びている角部材もさして違和感もありません。

そういった感覚は、何処から生まれて来るのでしょうか。

漢字の「亜」の字に構成された飾り棚のベースは、間に空間を持たせた二枚の薄い板で構成されており、一枚板で構成するより、他の棚板の板厚とのバランスが取れており、かつベースとしての安定感も出している。
また、亜の字の中央の四角い空間には、球面状に掘り込まれた黒漆の板材が嵌めこまれており、全体を引き締めるアクセントとなっている。

このように、どの作品を見ても随所にデザイン性の素晴らしさが見て取れます。
しかし、一番は、何と言ってもまず全体のバランスの取れた斬新なデザイン性で目を引きますが、何が引き付けるのかと、部分に目をやると、前述のような構成が全体の魅力として、見るものを引き付けるのだと分かります。

Post comment

管理者にだけ表示を許可する