木の工房 風

ひとこと

ワクワク感を感じさせる作品作り           ”新付加価値の創造”(2017/1/3 T.Hayashi)

写実絵画(野田弘志)

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今朝(5/8)野田弘志さんを紹介した番組を見ました。

写実絵画と聞くと、それなら写真と同じではないかと思っていましたが、まったく違っていました。
写真以上に写実的であり、描かれたものの存在感が生きているように迫って来ました。

「野田の作品はきれい、写実的ということだけではない、毒がある」と同期の東京芸大の教授が評していましたが、その表現が何か分かる気がしました。
ありのままをそのまま描くのではない。
被写体に命を吹き込む、生命の神秘を描き込むのが野田の作風である。
野田曰く、モナリザは写実絵画であるが、手の描き方は写実的ではない。
それは美を追求しているからである。
確かにアップになったモナリザの手はしわも血管も描かれてない。
一方、野田は、美を追求している訳ではない。

写実ということは、真実、本質を描くことと捉えているので手のしわも血管も描いた。
写実といっても写真とはまったく違う、ある種写真よりずっと写実的である。
本質を描くということは、被写体の存在そのものを描くことであり、その存在自体が美しい。
野田は、驚きや斬新さを狙っている訳ではないので、ひらめきは必要ない。
生と死を描くことは、そのものの存在を描くことである。

TV画面を 通して見た油絵でしたが、題材の写真と比べても圧倒的に絵の方が存在感が伝わって来ました。
(液晶画面の良さが発揮された放送でした)


いま、木工の世界で「驚きや斬新さ」を狙っているものはあると思いますが、存在を表現する、木の本質、真実を追求している家具がどれだけあるのでしょうか。
後述の氷見晃堂はまさに、素材そのものが持つ美しさを最大限に引き出すことを心掛けた作風というのは、それに匹敵するのではないでしょうか。
工芸品といわれる蒔絵、細工ものの中には、多く存在しているのでしょう。

以前、羽ばたいている数羽の鶴を蒔絵で表現しているのを見たことがありましたが、それは・・・・

家具は、主に実用的なものなので、なかなか家具そのものが何かを表現する対象ではないかもしれませんが、以前、北大路魯山人の展覧会を見に行ったとき、古い小棚の存在感に引き付けられた記憶があります。

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