木の工房 風

ひとこと

ワクワク感を感じさせる作品作り           ”新付加価値の創造”(2017/1/3 T.Hayashi)

不完全なものの良さ

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日曜美術館で「茶の湯」を取り上げていた。

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茶器から時代が見えてくる。
室町時代では、義政の豪華な茶道具。
戦国時代では、戦で人を殺めることで生きていく中でのお茶は、戦から日常に戻るための静かな空間であり、茶器にも緊張感が漂っている。
江戸時代になり、統制された時代の中から、織部に象徴されるような、気持ちを爆発させるような茶器が生まれてくる。

茶の湯とは、いつの時代も形こそ違うが、「自分と向き合う、自分を見つめる空間」である。

綺麗で完全なものでなく、不完全なものの中に良さがある。
目に映る華やかな美ではなく、心に映る美・・・それが茶の湯の神髄である。

それは、古田織部の「破袋」に見られるように、水差しとしては、不完全であるが、茶道具としては、名品と評される味わいがある。
また、皓皓と光っている満月よりも、雲間に見え隠れする月がいい。
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どんな道もそうだが、とかく表面的な道具、所作、雰囲気に流され、いかにもその世界に通じているかのように錯覚していることが、多々見受けられる。
どんな道も、物事を深く見つめ、極めることで、共通した境地が見えてくるように思う。

我が木工においても同じである。
まだまだ序の口で、大きなことは言えないが、先はまだまだ遠く、日々思考し、模索し足掻いている日々である。

今回の作品展に出品した「子供椅子」の評価は、きちっとできていて凄い・・・と言われるが、そこが私の悩ましいところである。
確かに、今までは、きちっと作ることが当たり前のように思っていたし、それができることが基本だと思って来た。

決して綺麗で完全とは言いませんが、まさに「不完全なものの良さ」らしきものを考えたことはあるが、具体的に展開したことはない。
これをを追求することが、次のステージを展開する私の新たなテーマなのかもしれない。

このところ、ずっと行き詰り感を感じていたが、これをクリアできれば、きっと新たなステージが見えてくるように思う。
”不完全なものの良さ”

一度、きちっとした作品作りから、不完全な作品作りに振り子を大きく振ってみよう。
何が見えてくるか、楽しみである。

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